オーケストラCONSONO

オーケストラCONSONO第2回演奏会を終えて

 10月28日、オーケストラCONSONO第2回演奏会が無事に終了しました。ご来場くださった皆様に心より御礼申し上げます。また、共演してくださったピアニストの松本あすかさん、そして、一緒にコンサートを作ったCONSONOのメンバーひとりひとりに、感謝いたします。反省点はたくさんありますが、良いコンサートになったと思います。

P  2曲目のピアノコンチェルトでは、初めて、ピアノコンチェルトで「アンサンブルをしている」という感覚を持つことができました。オーケストラとピアノが一体になって音楽を創る楽しみを感じることができたのです。なにより、ノーペダルで弾ききってくださった、あすかさんに、感激でした。

 あすかさんと初めてお会いした時から、ピアノの音、音程、音質などの話をたくさんすることができました。スタジオの平均律ではないピアノの音色を感じていただき、オーケストラと「溶け合う」音のイメージを作っていただきました。私が期待していた以上に、あすかさんは素晴らしい演奏をしていただきました。ピアノのふたを外すのは、ある意味で「バクチ」でもあったのですが、客席にとどくピアノ・ソロの音量よりもアンサンブルを重視した結果は、多くのお客様にも受け入れていただけたのではないかと思います。

 練習もとても楽しいものでした。合わせの練習に5回もお付き合いいただいたのですが、1回1回、どんどんピアノの音が変化して行くのを見て、「これは楽しい共演になるぞ」とわくわくして本番に臨むこともできました。改めて、あすかさんに「ブラボー!」

Photo  パリは、弦楽器、特にヴァイオリンがまだ弱く、ディテールが合わない、テンポ感を咄嗟につかめない、という、「若い」オーケストラの弱点が露呈した演奏になってしまいました。特に、ヴァイオリンの指導者としての私のわがままで、CONSONOには「育成枠」があります。レイトスターターが5人、参加しているのですが、みなさんとても熱心。みるみる変化して、上手になってくれているのですが、まだ本番の経験が少ないので、本番になるとちょっと緊張してしまうのでしょうか、まだ乱れが出てしまうことがあります。しかし、この調子であれば、みなさん、あと2、3回本番を経験すれば、十分に戦力になってくれると思っています。

 田園も、問題点はたくさんありましたが、いくつかの嬉しいコメントをいただきました。「退屈しなかった!」アーティキュレーションにこだわった作り方は、音楽の進行を自然にします。それを、みなさんが徐々に理解してくれて、だんだん、演奏の質が上がって来たと思っています。

 次回は来年4月20日。「英雄」交響曲。やはり、みなさんがあまり耳にしたことがないものになるのではないかと思っています。

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Orchestra CONSONO 第一回演奏会を終えて

 昨日、表記の演奏会が終了しました。ご来場くださった方々には、こころより御礼申し上げます。

 予想以上のお客様に来ていただいて、会場は7割の入り。このくらいだと、見た感じは「しっかり入っている」です。初めてのコンサートなのに、会場に来ていただいたたくさんのお客様を見て、少し胸が詰まりました。

 コンサート自体は、面白いと感じて下さった方が多かったように思います。特に、ベートーヴェンは、かなり型破りな作りでしたので、びっくりされた方も多いでしょう。

 津留崎さんのハイドンは、まさに「津留崎ワールド」全開! こんなにこだわりとオーラがある演奏家とご一緒できて、本当に幸せでした。

 私の目標は、それぞれの曲の構造や意図ができるだけストレートに感じられる演奏を創ることでした。それが、かの偉大なる作曲家の音楽が持つ良さを引き出すことになると思ったからです。練習もそのことが中心で、意図通りにいったところも多いのですが、ディテールに割く時間が足りませんでした。この点は、私の力量不足だろうと思っています。これから、さらに改善していこうと思っています。

 こんなコンサートができたのも、一緒に走ってくれた仲間たちのおかげです。どんなに感謝してもしきれません。これから、さらによいオーケストラにすべく、精一杯頑張ろうと思います。



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オーケストラCONSONOのコンサートまであと1週間!!

 来る22日に、オーケストラCONSONOの初めての演奏会があります。私の活動をご存知の方なら、発表会もずっと「CONSONO21」という名前で行なってきましたので、この名前にピンと来たはずです。

Orchestra CONSONO 1st Concert

W. A. Mozart Symphony No. 41  in C Major, K.551
F. J. Haydn Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb/1
L. v. Beethoven  Symphony No. 5  in C minor, op.67

チェロ独奏  津留崎直紀
指揮 柏木真樹

1月22日(日)13:30 開場  14:00 開演
第一生命ホール(晴海トリトンスクエア)
入場料 100円(終演後に、コンサートを面白いと感じていただけた方には、寄付をお願いしています)

 実は、新しいオーケストラを作りたいという気持ちは、20年前から持っていました。ちょうどその頃、方針の違いでそれまでいたアマチュア・オーケストラをやめてから、きちんとした音楽ができるオーケストラを作りたい、という気持ちを持ち始めたのです。当時は私もアマチュア・プレーヤーでしたから、指揮をする、ということではなく、自分がリーダーをやるオーケストラを作りたかったのです。当時の音楽仲間には「40になったら、新しいオーケストラを作る!」と宣言していました。その後、私の音楽的な事情が大きく変化し、プロの指導者として、そしてアマチュア・オーケストラのトレーナーとしての経験を積んでいく間に、考え方が少しずつ変化していきました。

 最初は、漠然と作曲家の意図を十分に理解した演奏がしたい、と思っていただけだったのですが、そのうちに「音楽的な常識をきちんと身につけた演奏をしたい」という気持ちが強くなりました。その気持ちが強くなった背景には、バロック音楽の理解を自分なりに深めたことや、音律に対する知識や経験を積んだことがありました。音楽的な「常識」に、歴史的な「筋が通った」と感じたのです。

 私たちの世代(50代)がヴァイオリンを習った頃(1960~70年代)は、古典派以前の音楽に対する「常識」はかなりいびつなものでした。19世紀最後から20世紀初頭にかけて完成したモダン奏法や、その後の「演奏ロマン主義」(注)の影響で、ヴィヴァルディであろうとバッハでやモーツァルトであろうと、とにかくロマンティックに演奏することが「正しい」とされていたのです。フェリックス・アーヨ率いるイ・ムジチ合奏団のヴィヴァルディがもてはやされ、ワルター・バリリ四重奏団のモーツァルトやベートーヴェンやフルトヴェングラーやクレンペラーのベートーヴェンが「最高」とされていました。作曲者の発想記号やテンポのイメージは軽視され、「精神性」というわけのわからない言葉が音楽の評価の中心であったりしたのです。

(注)演奏ロマン主義:これは、私の造語です。私は、演奏者の表現が重視され、作曲家のイメージが軽視される傾向にあった1960年代ごろまでの演奏スタイルをこのように呼んでいます。ベートーヴェンが八分音符=80と指定している第3交響曲の第2楽章などは、八分音符=60以下のテンポで演奏されることすら少なくありませんでした。また、全ての音にヴィブラートをかけることがもてはやされたのです。もちろん、時代がそれを望んだということも否定できませんが、結果的には、作曲者が意図した音楽とは全く別のものになっていたことは間違いありません。

 そのような時代背景の中で育った私たちは、ヴィヴァルディを弓先のデタシェで演奏し、モーツァルトをヴィブラート全開で歌うことが「正しい」と思っていました。それがひっくり返ったのは、ベーレンライター版などの原点版の普及と、作曲者が生きた時代の演奏を目指した演奏家が増えたことが大きな要因でした。そこには、それまで私たちが学んだ音楽とは全く別の世界が広がっていました。

 人間は、強い刺激に慣れると、それ以上の刺激を求めるようになります。音量は次第に大きくなり、ヴィブラートは派手になり、遅いものはより遅く、速いものはより速く、という傾向が強くなるのです。そうして歴史を重ねる間に、音楽は作曲者がイメージしたもとのは似ても似つかぬものになりました。こうした歴史の流れの中で、「作曲者が何を思っていたのかを見直そう」と考える音楽家も増えてきました。中には、古楽器を使うだけでなく、演奏会場もその時代の大きさ、響きにこだわって選択する演奏家もいます。

 しかし、私たちは、ピリオド奏法(古典的な楽器を使って弾く奏法)を取り入れるわけではありません。私たちが使っている楽器はあくまでモダンの楽器であって、ピリオド奏法が相応しいとは思えないからです。モダンの奏法を使っていかに作曲者の意図を表現することができるか、というのが、私たちの目標です。そして、それこそが、私たちが作曲者が遺した宝物の素晴らしさを体験できる、唯一の方法ではないかと思うからです。

 練習は、音楽的な「センス」をいかに磨くか、ということに注意し、作曲者の意図を理解する、という目標を置いて続けてきました。フレーズの取り方、ヴィブラートをかけないことなど、最初はメンバーもだいぶ戸惑っていたようですが、少しずつ、形になってきました。ただ、やはり始めてのコンサートで、オーケストラとしてのアンサンブル能力が鍛えられていません。2回、3回と続けていくうちに次第に良くなっていくのだと思いますが、この点だけは克服できたとは思えません。そのことが、心残りではあります。

 しかし、この名曲を、最初のコンサートで取り上げられることは、至上の喜びでもあります。来場されるお客様に、ベートーヴェンやモーツァルト、ハイドンの名曲の素晴らしさが、少しでも感じていただければ、と思っています。

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オーケストラCONSONOの練習

 1月の演奏会に向けた練習が、いよいよ先週の日曜日から始まりました。フルオーケストラのコンサートを初めから責任を持つのは初めてですが、自分で思っていたほどの緊張はありません。これまで20年間、ずっと「やろう」と思っていたことができるのですから、期待が何よりも大きいからでしょう。

 私がこだわっているのは、「当たり前のことを当たり前に演奏する」ということです。アマチュア時代を含めて、30年間オーケストラというものに関わってきて、ずっと感じてきた不満や疑問を自分の手で解消できると思うと、出来上がった演奏が楽しみです。

 練習は、メンバーの「びっくり」の連続のようです。私としては普通の要求をしているつもりですが、長い間アマチュアオーケストラに参加してきた団員も「え??」ということが多いのです(http://www.consono.org/blog/)。

 今回もいくつかのびっくりが。ひとつは「ロングトーンの扱い」です。

 ロングトーンや刻みは、「旋律が聞こえるように」と、指定のディナーミクよりも落として演奏させる指揮者がほとんどですね。もちろん、こうした「調整」が必要であることも少なくありませんが、多くの場合は「やりすぎ」です。今回は、ジュピターに出てくるフルートとオーボエのロングトーンを取り上げました。

「もっとしっかり吹いて!」
「え! いいんですか?」
「かすもうと思ってるでしょ?」
「はい」
「そんな音だったら、モーツァルトは書いてないと思うよ」

 実際、ロングトーンを「かすむ」必要があるのは、他の楽器のバランスが壊れているか、音程が合っていないことが原因であることが多いのです。フルートの高音域のロングトーンをかすんでしまうと、むしろ中音域の旋律は浮き立ちません。ベースラインをしっかりして、フルートがしっかり高音域で「支える」と、中音域もクリアになるのです。これは、団員もびっくりしていました。

 私の練習は、できるだけ「before & after」を心がけています。良い例、悪い例を両方やってもらって、その違いを認識してもらう。オーケストラの練習は、どうしても「こうやりたい」という方向にだけ向きがちですが、そうするとメンバーが「何故そうするのか」ということがわからないままに練習が進んでしまうことがあるのです。ですから、指示した通りにやってもらったら「こんなに違う」ということを実感してもらうのが私の役割。こうして、少しずつメンバーに「音楽的常識」が蓄積されていくと思っています。

 1月のコンサートは、是非、ご来場くださいませ。

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