楽器の話題

弦楽器フェア2011

 恒例になった「弦楽器フェアツアー」に行ってきました。

 私のレッスンの最大の方針は「楽器をきちんと鳴らすこと」です。どんなベテラン(や音大生)でも、最初に要求されるのは「開放弦をきちんと鳴らすこと」です。これがなかなか難しいのですが、結果として、始めて数年のレイトスターターでも、私の生徒は、音はいっぱしです(笑)。

 その結果として、楽器に対する不満が「表面化」するのが早いのです。

 私は、最近の新作楽器の多くに、実は大いなる不満を抱えています。最大の理由は「プレス耐性が弱い」ということです。

 導入用の量産楽器に顕著なのですが、とにかく「雑音を少なくする」ことを最大のコンセプトとして作られた楽器が多く、どの楽器も「弱い」のです。昔は、「新作楽器はそれなりに雑音が多いもの」でしたが、ここ10年くらいの新作楽器をみていると、どれもこれも雑音が少なく感じます。そのかわりに犠牲にされているのが、楽器の「鳴り」です。さっと、なでるように弾くのであれば良いのですが、しっかりした音を出そうとして腕の重みを十分にかけると、音がすぐに歪んでしまう楽器が多いのです。

 こうした楽器は、教え手に取っては楽かもしれません。楽器を鳴らさなくても、そこそこ「きれいな」音がするからです。そのせいかどうか、最近「転校」してくる生徒は、どの方も右手の余分な力は少ないかわりに、音がないのです。

 生徒に楽器を持たせて私が弾くと、全員、びっくりしてしまいます。「こんなに大きな音がするんだ!!」

 そうなんです。楽器って、ほんとに良く鳴るんですよね。それを、まず、知って欲しい。

 最初は苦労しますが、音が出てくると、楽器の限界が見えてきてしまいます。「楽器の能力の80%が出せたら、楽器を替えないと不満が出るよ」と私は言っていますが、前述のような「重さに耐えない」楽器を持っていると、あっという間に楽器にたいして不満ができてしまうのです。そのために、生徒の「楽器買い替え率」が異常に高い(苦笑)。

 楽器を買うことは、人生の一大事です。安いものではありませんからね。(でも、不思議なのは、10年経ったら無価値になる車には何百万も平気で使う人が多いのに、きちんと使えば価値が減らない楽器が「100万」というと、「高い!」と思われる方が多いことです。価値観の違いですが・・・)そのために、音楽やヴァイオリンを弾くことの経験値が低い生徒が楽器を新調しようとする時には、たくさんの楽器屋さんを回らせます。てっとりばやいのは、弦楽器フェアです(笑)

 ご存知のように、弦楽器フェアには、製作家協会の会員さんたちが作った楽器だけでなく、楽器屋さんのブースもたくさん出ています(しかし・・・減りましたねぇ・・・景気のせいだと思いますが・・・)。いろいろなタイプの楽器を弾いたり経験したりするチャンスなのです。そこで・・・

 楽器を新調したい生徒を連れて弦楽器フェアに行くことが、半ば恒例化してしまいました。生徒を何人も引き連れて楽器を弾いて回るのを見て、ある生徒が「院長回診だ/笑」。しかし、一緒に行く生徒は、みなさん「良い経験をしました」と言ってくれます。

 今年は、毎年出展されている会員さんの楽器の中にも、「これは面白い」と思うものが数点ありました。昨年までと明らかに違う楽器になっているものもあり、とても面白い。値段に関わらず、面白いと思う楽器を弾かせていただくのは楽しいものです。意外(去年まではあまり面白いと思わなかった)な出会いもあって、生徒たちも「ほんとうに、いろんな楽器があるんですねぇ・・・」と素直な感想。弾いた楽器は、のべ140台。桁違いに高いものを除けば、その中で印象に残った楽器が8台ありました。この楽器たちが、どこでどのように活躍するのかを想像することも楽しいことですね。

 終了後は、神保町の中華料理屋で「お疲れさま」。たしかに、ちょっと疲れました(笑)来年もまた行きます。

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弦楽器フェア2010


 今年も弦楽器フェアを見に行きました。日程的に無理だと思っていたのですが、日立でのコンサートの後に特急に飛び乗ることができ、なんとか時間がとれました。去年はたくさんの生徒を引き連れて大名行列のようになってしまったのですが(苦笑)ことしはいたってシンプルに。

 弦楽器フェアを見に行く目的は、注目している日本人の作家の楽器がどのように変化しているかを知ることと、楽器商や海外の制作者のブースを見て回ることです。毎年のウォッチしていると、変化があったり新しい発見があったりして楽しいものです。年に1度、弦楽器フェアでしかお会いできない制作者の方もいて、その方達とお話をするのも目的のひとつでもあります。

 今年は不況の影響でしょうか、だいぶブースが減っていたようです。毎年のように出店していたメーカーやディーラーのなかにも、今年は見られなくなってしまったものがいくつかありました。その分、通路のスペースには余裕がありましたが、やはり寂しい限りです。

 今年も「あ、作り方変わったな」と思った制作者が何人かいました。お話を伺っていると、工夫をされている様子がわかってとても興味深いものがあります。また、楽器商のブースでかなり良い楽器も弾くことができました。

 来年はまた、「見てみたい」という生徒と一緒にまわってみたいと思います。

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